科目ごとの具体的なアドバイスをする前に、すべてに共通する内容を簡単にまとめておきたい。
(1)科目間バランス
高2生までは、基本的には、英語、数学を勉強しておけばよい。
その他の科目は、学校の定期テスト対策をまじめにしておく程度で十分だと思う。逆に言えば、定期テスト対策が中途半端になっていると、いざ受験生になって勉強を再開する際に、しんどい思いをする。毎回の定期テストを活用して記憶の軸を作っておけば、3年生の夏秋頃に細部の記憶が薄れていたとしても、すぐに取り戻せて、さらに受験レベルに引き上げることができる。
あくまでも英語、数学の基礎固めが最優先ではあるが、それでも余裕がある高1・高2生であれば、文系では古文、理系では受験選択する理科科目に着手するとよい。
受験生については、今後の回で、詳しく説明する。時間は有限なので、どの科目の勉強にどれくらい時間を割くべきかを「かしこく」検討しながら、具体的な計画をたてていってほしい。
(2)参考書の選び方
私が受験生だった一昔前と較べ、市販参考書が実に充実している。したがって、それぞれの習熟レベルや目標に合った参考書を選び、しっかり使いこなすことができれば、独学でも十分だと思う。
予備校・集団塾での(有名?)講師の熱血授業と、それを必死に聴いてノートに書き写す受験生という構図は、日本の受験勉強の従来のイメージであったが、もはや古い。高校の授業でしっかりと基礎事項をインプットした生徒にとっては、似たような予備校の授業は時間の無駄だ。また、(市販参考書が充実しているので)「○○塾専用」などの特別な教材も必要ない。
私の塾では、使うべき参考書を推薦しているが、すでに類似の参考書、問題集を購入し学習を始めている生徒であれば、それらをそのまま使えばよい場合が多い。長年受験業界で好評を博している参考書、学校が推している参考書であれば、どれも優れたものである(かつ大体似たような内容)ので、一度始めた参考書、問題集をとことん使ってほしい。あれこれ目移りして、どれも中途半端になることは避けてほしい。
参考書の選び方について当塾は自信があるので、いつでも相談に応じたい。
(3)参考書の使い方
参考書の使い方については書きたいことがたくさんあるので、特に重要なことだけ2点述べて、残りは塾で個別に説明したいと思う。
✔繰り返し使おう。
参考書、問題集は、1回だけ読んだり解いたりしただけでは、ほぼ意味がない。
1周目は、理解していない分野や問題を洗い出すプロセスに過ぎない。本当の意味での勉強は、2周目から始まるということを肝に銘じてもらいたい。
✔ノートを使おう。
中学生に多くみられ、高校生ではさすがに少なくなってはいるものの、問題集に直接、自分の答えを書き込んでいる生徒がいる。直接書き込んだら、どうやって2周目をするのだろうか!?
ノートに書いて自己添削し、間違えた問題や自信がなかった問題にだけ印をつけておく。2周目以降はそれら問題を中心に解いていけばよい。
問題集ではなく、教科書、参考書はどうだろうか。
もし、その内容やレイアウトが、暗記用にきれいにまとまっているのであれば、その教科書、参考書とは別にノートをまとめる必要はないだろう。まとまっているものを、更にまとめるというのは非効率である(きれいなノートを作ることが勉強の目的ではない!)。
むしろ、その参考書に足りない補足事項をどんどん書き込んで、世界に唯一無二の自分だけの使いやすい参考書を作ってほしい。(美しい参考書を作ることが勉強の目的ではないので、やたらに色分けしない!)