学習の手引き(8)理科

 私は文系の人間なので、以下は、当塾の他の先生の意見も聴いた上で書いたものであることを最初にお断りしておく。なお、当塾には理系の生徒も多くいて、その学習姿勢に私も大いに刺激を受けているところである。どこまでできるかわからないが、私も生徒とともに、理系科目を勉強し直そうと考えている。

 理系生徒は、英語、数学の基礎勉強にめどがたった2年生終盤、遅くとも3年生夏休み前までのタイミングで、本格的に、理科の受験対策に取り組んでほしい。

 その際、文系生徒の地歴公民の選択以上に、理系生徒の物理・化学・生物・地学の選択は重要となる。科目の性格が大きく異なるからだ。したがって、自分の科目適性を冷静にみつめ、志望大学の試験問題を分析した上で、どの科目を選択することが賢明なのかを、早めに決めておきたい。

 物理は「力学」でつまずく生徒も多いが、そこさえ突破すれば、得意科目として得点源にしやすい科目である。高1・高2の授業で苦手意識をもたなかった生徒は選択するとよい。単なる暗記勉強はほどほどに切り上げて、問題を解きながら暗記を定着させていくスタンスで演習を重ねる意識が大切。

 化学は「理論」を遅くとも3年生夏休み前までに攻略できていると強い。理解に時間がかかる分野なので、2年生のうちから英数と並行して参考書読解を進めるのがよい。夏以降は「有機」、「無機」の順で暗記に入り、「理論」も問題演習で理解を深める。暗記するだけ点数が伸びる側面もあるので、コツコツ努力できる生徒に向いている。

 生物も暗記量に比例して点数は伸びる。一度時間をかけて各分野を理解し、その後は問題集を繰り返し解いて暗記すれば、高得点は狙える。その一方で、クセのある出題もされやすい科目なので、問題との相性が悪ければ点数が伸び悩み、安定的な得点源になりにくいという側面もある。そのような科目の性格(内容が広範、出題形式が多様)上、受験大学の過去問を分析し、問題集を使って記述対策を行うことはきわめて重要。これを怠ると、大きな点差となってしまうだろう。

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