学習の手引き(4)英語

 受験生になるまでは、(1)単語・熟語・語法、(2)文法の基礎をしっかり固めることで十分。リーディング、ライティング、リスニングの練習は、英語が得意な生徒はどんどんやればよいが、学校カリキュラムや英検対策などで時折触れておけばよい。むしろ、単語や文法が中途半端なまま、英長文をテキトーに読むクセをつけてしまうほうが危険。

 3年生の夏休み前までに、(1)(2)をある程度終えておきたい。夏休み以降は、(3)長文読解(リーディング)の精読・多読に時間をかけたいからである。

 さらに同時期から、志望校の出題傾向に応じて対策に濃淡はあるが、(4)英作文(ライティング)、(5)リスニングも強化していく必要がある。

 なお、英語学習全体に言えることとして、以下の3点を強調しておきたい。

①辞書の使用

→分からない単語は辞書を引いて覚えるクセをつける。辞書で調べた単語は記憶に残るからだ。また、電子辞書ではなく紙の辞書のほうが、アンダーラインや書き込みができるので、暗記が定着しやすい。

②音声教材の使用

→参考書を選ぶときは音声付きのものがよい。耳から正しい発音を叩きこむことが、英語全体の上達への近道である。

③音読練習

→音読はリーディングとリスニング能力を高めるための最適な練習方法である。

(1)単語・熟語・語法

 暗記力にも個人差はあるが、1週間100-200語の習得を目指す。

 受験勉強本格化する前の時期(3年生夏前)は、英語に多くの時間をあてられるので「1日50語・1週間200語(50語×4日間、残り3日間は復習日・定着日)」で進めよう。受験必修語を3000語として、約4か月で終わる計算になる。

 ただし、私たち人間は忘れる動物であるということを忘れてはならない。受験当日まで単語帳を携行し、覚えていない単語を、繰り返し復習する。

(2)文法

 受験生になるまで、どの程度、体系的に学んできたかで、スタート地点が異なる。総合文法書と、その副教材を使って、しっかり鍛えられた生徒であれば、ボリュームのある問題集に最初から取りかかり、1週間100-200問ペースで進めてほしい。

 文法にまだ自信が持てない生徒は、薄いレベル別の文法問題集から始めたほうがよい。多くのシリーズがあるので、何を選ぶかは個別にアドバイスしたい。

 どのレベルであれ重要なことは、問題集で不安な文法事項がみつかれば、基本参考書の該当部分に立ち返って、ていねいに復習するということである。

(3)長文読解

 長文を早く読みたがる生徒が多いが、(1)単語・熟語、(2)文法の基礎学習が終わってから始めるほうがよい。そして、読み方に変なクセがつかないように、解釈参考書を1冊学んでからのほうが結局は近道と言える。

 読解力レベルによって選ぶべき参考書は多種多様なので、塾の授業で、個別具体的に推薦する。

(4)英作文

 特別の対策勉強をしたか否かではっきりと差がつく分野なので、注意が必要。

 まずは志望校の入試で、どのようなタイプの英作文問題が出るかをチェックする。短い和文英訳レベルのものから、100語以上の自由作文に至るまで、英作文問題といっても様々であり、対策の方法が異なる。

 英作文の基本は、何と言っても重要例文の暗記である。英作文参考書のなかの基本例文を暗記したのち、入試問題形式の自由英作文の演習に入ってほしい。自分の書きたい内容を英文でスラスラと表現するためには、脳の中にいかに多くの例文がストックされているかにかかっている。

(5)リスニング

 例えば、共通テストはリスニング配点が高いので、しっかりした対策が必要。教材は何度も聴き、実際に繰り返し発音することが、最も効果的な学習方法である。自宅の自分の部屋で大きな声で発音してほしい。

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